約 301,182 件
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/92.html
前回のあらすじ 霊夢の荷物を盗んだジョルノは、霊夢&ゆっくりにフルボッコにされて再起不能になりました 「ごちそうさまー!」 「ゆっ……し……果……」 ゆっくりにスタンドを食べられたジョルノは、虚ろな目でうわ言を言っている 「スタンドを喰い尽くされても、かろうじて息はあるみたいね 自業自得とはいえ悪い事したかも…」 ジョルノを哀れむ霊夢だが… 「それにしても敵を倒してもPや点アイテム出ないのね 何も貰えないのはシャクだから、所持金をいただいておくわ」 3秒も経たないうちに思考を切り替えると、霊夢はジョルノの衣服をまさぐって財布を取り出した まさに外道! 「なんだ、スッカラカンじゃない…あれ?他にも何か入ってる この写真…DIOとかいう時を止める変態吸血鬼じゃない それと学生証…名前は、ジョルノ・ジョバァーナ! それじゃあこいつが!」 目の前の少年が捜し人だということにようやく気がついた霊夢 そんな彼女に近づく一つの影があった 「こいつ、『ジョルノ・ジョバァーナ』かい?」 「そうみたいね、ところであなた誰?」 「あんた日本人か…旅行者なら知らなくてもしょうがねえか 俺は『涙目のルカ』ってんだ、覚えておきな ところでそれ、ジョルノの財布かい?ちょっと貸してくれよ こいつからショバ代をもらわなきゃいけないんだ」 「どうぞ」 既に金が入っていないことを確認していた霊夢は、躊躇なく財布をルカに渡した 「なんだこりゃあ~? 家族の写真入れか?写真や学生証しか入ってねえ」 「言っとくけど最初から空だったわよ」 「んなわきゃねーだろ! まさかてめー、この『涙目のルカ』への献上品をギりやがったなァァァ!」 二人とも知るよしのないことだが、ジョルノはすでに警備員にショバ代を払っていたため、一銭も持っていなかったのだ 「2度も同じ事を言わせないでよ… 1度でいい事を2度言わなくちゃならないってのは… そいつが頭が悪いって事だからよ 元から一銭もなかったと言ってるのよ… 3度目は言わせないでよね」 霊夢の言葉に頭に血を上らせたルカは、手にしたスコップで霊夢に殴りかかった だが、霊夢にはかすらせることすらできなかった 「にかいもおなじことをいわせるなんて、ばかなの?」 本体の危機を感じ取ったのか、ゆっくりが姿を現した 「何だ…!?その『何かよく分からんが腹の立つ物』は…? たたき落とせッ!」 どういうわけか、ゆっくりはスタンドを持たない人間にも見えるようだ 「この子は自分の意思を持っている『スタンド』で…自分で考えている… こんなにかわいいのにたたき落とすなんて、私にはとてもそんな事はできないわ…」 「ばーか!ばーか!」 ゆっくりの無邪気な発現に、ルカは大人気なくブチ切れた 「てめーはもう…てめーはもう…てめえはもうおしまいだぁあーっ!」 「おお、こわいこわい」 ルカは怒りに任せてスコップをゆっくりに叩きつけた だが、ルカは知らなかった ゆっくりに食われたゴールド・エクスペリエンスがまだ完全に吸収されきっていなかったため、荷物のカエル化はまだ効果が切れていなかったこと… そのカエルが、ジョルノを追ってきていたこと… そして、ゆっくりの中のゴールド・エクスペリエンスに反応して飛び付いたカエルが、結果的にゆっくりとスコップの間に割り込む形になったことを… カエルにスコップ攻撃を反射されたルカは、頭蓋骨がべっこりと凹んで倒れてしまった 「一体、何が起きたの? もしかして、あなたがやったの?」 「ゆっ!ゆっ!」 特に何もしてないのに、やたら得意気なゆっくり そして、彼女らの目の前で荷物に戻るカエル 「あ、さっきのカエルが! ジョルノはこうやって荷物を隠してたのね…」 「いただきまーす!」 「きゃあ、荷物食べちゃだめぇ!後で何か買ってあげるから!」 荷物を食べようとしたゆっくりを慌てて止める霊夢 「この子って何食べるのかしら… あ、あと捜し人を見つけて荷物も取り戻したことだし、ひとまず紫に報告しないと」 二人(?)は、食糧を求めて空港から街へ向かって歩きだした 東方遅体験 第3話 ルカ涙目www 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/480.html
第3話 「DISCマン、ホワイトスネイク」 プッチは道を歩いていた、慧音から教わった道を行きながら・・・ プッチ「やはり慧音の言っていたことは正しかったようだな・・・もう湖が見えてきたぞ・・・」 プッチは紅魔館少し前にある湖についてた。 プッチ「ここを渡れば紅魔館まであとすぐか・・・」 ???「おい!そこのおまえー!」 プッチは振り返った、そこには水色の少女が空に浮いていたのである!プッチは最初には私の幻覚か・・・ ??と思って気にとめずに、そのまま進んでいった・・・ ???「おい!お前だと言ってんだろ!無視すんなー!」 プッチはやはり幻覚なのではないと思い、後ろを振り向いた、そして後ろには、さっきと同じ、水色の服を着 ている少女の姿があった。 プッチ「すまないが私に言っているのかね?」 ???「そうあんたよ!アンタ以外に誰かいるっての!?」 プッチ「確かに誰もいないな・・・・」 ???「何勝手に納得してんのよォォォォォォ!!!」 水色の少女はかなり怒っていたようだ、無視されたのがかなり勘に触ったのだろうか。 プッチ「まあそう怒るんじゃない・・・素数でも数えて落ち着け・・・」 ???「素数ってなに!?あんたあたしのことバカにしてんの!???」 プッチ「素数とは1と自分の数でしか割れない・・・孤独な数字だ・・・」 ???「1と自分でも割れない・・・?算数なんて分かんないからいいや!」 ???「あ!あんた!もしかしてこの湖渡りたい感じ?」 プッチ「そうなんだがこの湖を渡りたいんだが岸からまわってもいいんだがね・・・」 ???「だったらあたしに勝てたらここを通っていいぞ!」 プッチは意味が分からなかった、私に勝てたらここを通っていい?ここを自分のだとでも思っているのだろうか・・・ この子供は・・・全く持って親の顔が見てみたい・・・ プッチ「暇つぶしなら他でやれ・・・私は急いでいるんだ・・・君の遊びに付き合っている暇は無いんだ・・・」 ???「はあ!?あたしが暇そうにしてるとでも思ったの!??私はいっつも忙しいわよ!」 ???「ああ~っ!!イライラするッ!もうあんたの事どうなっても知らないわよ!!」 ???「凍符「パーフェクトフリーズ」ッ!!」 そういうと、チルノの周りには、色鮮やかな光の弾が大量に出てきた! プッチ「何だこれは!!クッ!「ホワイトスネイク」!!!」 そういうとプッチの体からは吉良のとは違った大男が姿を表した!色は少し紫色の体に縞模様で、文字が書かれていて顔は黒い被り物を付けており、顔は見えない。 プッチ「くっ!!ホワイトスネイクは戦闘スタンドではないッ!このままではやられてしまう!!!」 プッチは、ドンドン出てくる光の弾を撃ち落としながら、弾をよけていた、すると、一斉に、弾は止まった! プッチ「何だ・・・?攻撃はやめたのか?」 そんなことを思っていると、少女の方から違う光の弾が飛んできた!しかしプッチはそのの弾を綺麗によけると 胸からあるCDのようなDISCを取り出した! プッチ「クッ・・・これを使おう!「シルバーチャリオッツ」!」 そういうと、プッチはそのDISCを頭にねじ込み、ホワイトスネイクを引っ込めた、その代わりに、中世時代の 騎士の様な姿のものが出てきた。 プッチ「外にいた時・・・あの2次会の後にポル・・・ポルなんとかの奴から抜きとっていてよかったな・・・」 プッチはチャリオッツを使い、光の弾を斬り落としていた、ポルナレフのように、素早い剣さばきは 出来ていないが、力強く、光の弾を撃ち落としながら、少女の方に近づいて行っていた! ???「あれ!?弾幕が効かない!?」 少女は驚いた!あのハゲ野郎にこれでもかというほどの弾幕を打ち込んだはずなのに、あいつは何ともなく こちらに近づいてきているではないか!少女の目の前にまで来ると、プッチはチャリオッツを引っ込め ホワイトスネイクを出し少女の頭からチャリオッツの様なDISCを引っ張り出した。 ???「あれ!?弾幕が出ない!?」 プッチ「君から能力を奪わせてもらったよ・・・」 ???「かえしてよ!そうしなきゃあたいが戦えなくなるじゃんか!」 プッチ「相手に能力を与える者がどこにいる・・・」 プッチ「さて、簡単な勉強をしようか・・・」 プッチ「君は今からこの能力の入ったDISCを取り返そうとする・・・やり方はどれかな?」 ①、天才的なチルノちゃんはナイスな解決方法を思いつく。 ②、またこいつと戦って、DISCを取り戻す! ③、泣いて謝罪する、現実は非常である。 プッチ「さあどれだ?」 チルノ「③以外に決まってるじゃない!舐めないでほしいわね!」 その時、ベゴォ、と顔の肉がへこむような音がした。 チルノ「ッッッ~~~~」 チルノの顔はホワイトスネイクにより、殴られ、へこんでしまっていた! プッチ「残念だが応えは③だ、現実はそう甘くないんだよ・・・・」 プッチ「さあ、早く泣いて謝罪しろよ・・・そうすればDISCは返してあげよう・・・」 チルノ「ううッ・・・ご・・・ごめんなさい・・・」 プッチ「え?なんだって?」 チルノ「ごめんなさい!あたいが悪かったから!能力返して!」 プッチ「そう・・・それでいいんだ・・・そうやって謝っていれば顔面をそんなに鼻血だらけにならなくて 済んだのだがな・・・」 そういうとプッチはチルノの頭にDISCを差し込んでこう言った。 プッチ「私にもう構うんじゃないぞ・・・」 チルノ「わかった・・・もうあんたには近寄らないよ・・・」 プッチ「それでいい」 そうすると、チルノはどっかへ消えていった・・・ プッチ「さて、とんだ道草を喰ってしまったな・・・早く紅魔館に行かなければ・・・」 そうすると、プッチは紅魔館の方へ向かったのであった・・・
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/2341.html
軍隊には、様々な人間が居る。 特に私のとある知り合いが所属していた501大隊においては、それが顕著であった。 色々な国の出身が居て、ウィッチも一般兵も居る。 彼らに共通する事は、全員が軍人、そして兵士であるという事だ。 しかし、ただ銃を撃つだけが軍人と言う訳じゃない。 そう、補給や修理が無ければ軍隊と言うものは成り立たないのだ。 ルウッピイ=ユーキオ氏の手記による 【ストライカーユニット用格納庫】 二等兵「・・・。」ガチャガチャ 整備兵の服を着た青年が、ストライカーユニットの手入れをしている。 没頭しているのか、首に掛けていた筈のタオルがずり落ちたのに気づかない様子だ。 エイラ「オーイ。」 そこに、コーヒーを入れたコップを二つ持った少女が入ってくる。 白くてサラサラしている長い髪、、白い肌。間違いなく美少女だ。 二等兵「・・・。」ガチャガチャ エイラ「・・・オーイ。」 二等兵「・・・。」ガチャガチャ エイラ「オイ!」バサッ 美少女が整備兵の被っていた帽子を取る。 二等兵「うわっ!!・・・何だ、エイラか。」 エイラ「何だとはナンダ!折角・・・その、コーヒーを持ってきてやったノニ。」 二等兵「あ、ごめんごめん。ついつい熱中しすぎちゃったよ。」 その技術兵は帽子を脱ぎ、床に落ちていたタオルで顔を拭いた。 エイラ「あっ!駄目ダゾ、そんなに汚れてるタオルじゃオマエの顔が汚れちゃうじゃナイカ!」 少女は慌てた様子で持っていたタオルを手渡した。 二等兵「ん・・・ありがとう。」フキフキ その技術兵の制服に着いている階級章によれば、彼は二等兵。 そして少女の制服に着いている肩章は中尉のものだった。 当然、普通であったら上官に対する不敬として咎められてもおかしくない。 そう、普通ならば。 エイラ「フフン。ありがたく思エヨ!」 胸を張ってそう言う"中尉"の顔には、それを気にしているフシは全く感じられなかった。 二等兵「ありがとうエイラ。俺の為に淹れてくれたのか?」ニコッ エイラ「べ、べ、べ、別にソンナンジャ!///」アセアセ 真っ赤になって言い訳しようとしている"エイラ"と呼ばれた中尉に対する二等兵の態度からも、彼らがどんな関係かは分かるだろう。 エイラ「そ、そ、ソウダ!!ミーナがオマエの事を呼んでタゾ!!」 二等兵「わかった、すぐに行くよ。・・・コーヒーありがとうな。エイラ。」 エイラ「ウン・・・//」 【司令室】 二等兵が入ってくる。相変わらず仕事熱心なのか、先ほどまでもストライカーの整備をやっていたようだ。 ツナギのあちこちが油や煤に汚れている。 二等兵「すみません、こんな恰好で。」 ミーナ「いいえ。気にしないでちょうだい。」ニコッ カールスラント軍の制服を着た赤髪の女性が微笑む。美人である。 同志「それで、君に昨日から配属された軍医の紹介をしておこうと思ってな。」 そして、視線を左に移す。 衛生兵「衛生兵です、よろしく。・・・マッサージぐらいしか出来ないけど。」 メディック「メディックだ。よろしく頼む。」 ジョン「ジョンだ。調子が悪くなったらいつでも言ってくれよ。あ、あと俺の射撃の腕前が見たい時もな!」 メディック「・・・ジョン。それに、お前は俺より下手じゃないか。」 ジョン「なんだと!いいか、あれは俺の調子が悪かったからで―」 衛生兵「はいはい、そこまでにしておきましょうね。後でマッサージしてあげますから。」 ミーナ「ゴホン・・・と、言う訳でこの三人が新しく配属された軍医よ。」 同志「そうそう、彼は格納庫で働いてくれている整備二等兵だ。銃が壊れたら彼の所に持っていくと良い。一晩で直してくれるぞ。」 二等兵「よろしくお願いいたします・・・しかし、何故俺に?俺はただの二等兵なのですが・・・」 同志「いや、それは私も不思議に思うんだよ。貴官ほどの腕前の者が何故そんなに低い階級のままなのか。」 衛生兵「まあ、何にせよよろしく。疲れたらいつでも医務室に来て下さい。マッサージだけには自信があるので。」 二等兵「はっ!よろしくお願いいたします!」ザッ ミーナ「自己紹介がまだだったわね。私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐。ここフミカネブルグ基地の司令官を務めているわ。」 ミーナ「そして、この人は同志大尉。501大隊の地上部隊の指揮を取ってもらっているわ。」 同志「よろしく、同志諸君。」ビシッ ミーナ「・・・大尉が酒瓶を持っている時には近づかないようにね。貴方達も容赦なく飲まされるわよ。」 同志「・・・一言余計ですな、同志ヴィルケ中佐。」 同志「それじゃあ、解散。同志軍医達は私に着いてきてくれ。他に案内したい所があるからな。」 同志「・・・と、その前に。ヴィルケ中佐」 同志がミーナに目をやる。 ミーナ「わかってるわ。・・・皆さん。」 呼ばれた軍医たちが姿勢を正す。 ミーナ「第501統合戦闘団にようこそ。歓迎するわ。」 【飛行機用格納庫】 同志「諸君!整列!!」 隊員「「「はっ!」」」ザッ 同志「こちらが、今日からこの501部隊に配属される事になった三人の軍医達だ。」 三人は、簡単な自己紹介を済ませた。 キ84「キ84少尉だ。よろしく。」 シャーリー「シャーロット・イェーガー大尉だ。シャーリーで良いよ。」 赤色のブレザーを着た胸の大きいウィッチと、飛行服を着た兵士が言う。 "シャーリー"と呼ばれた少女はとても少女とは思えないような体形をしており、兵士の方は外見は若かったが、ベテランの風格を漂わせていた。 十分「十分少尉です。よろしくお願いします。」 坂本「坂本美緒少佐だ。よろしく頼む。」 次に自己紹介したのは、長い外套を着た優しそうな顔の少年と、きりっとした顔立ちの眼帯を付けた黒髪の少女だった。 同志「・・・見ての通り、この部隊では階級などをあまり気にする必要はない。士官だろうが佐官だろうが兵士だろうがほぼ対等な立場だ。」 同志「だから、改良してほしいことや気になった事があったら、遠慮せずに言ってくれ。」 衛生兵たち「「「はっ!!」」」 【ストライカーユニット用格納庫】 二等兵「あ、こんにちは。」 先ほど紹介された兵士が、ストライカーユニットの整備をしている所だった。 エイラ「コンチワ。」 横でエイラが、ストライカーユニットを整備する二等兵の手元を覗き込んでいた。 二等兵が整備しているのは彼女のストライカーユニットらしい。 同志「ここがストライカーユニット用の格納庫だ。今ここに居るのは彼だけだが、実際はもっと数がいる。」 同志「近いうちに新しい整備兵が来ると聞いていたんだがな・・・また上層部の口約束か。やれやれ。」スタスタ 同志は肩をすくめ、さっさと歩いて行ってしまった。 軍医達は慌てて後を追う。 【衛生兵視点】 その後、いろいろな所を見て回った。ウィッチも紹介された。皆、美人だった。 中庭で訓練している兵士達も居た。酒臭かったが陽気で、腕前は確かなようだった。 車両で一杯になっていた車両用の格納庫、見た事のない武器で沢山の武器庫、露天風呂まで付いていた。 同志「それじゃ、夕食時になったら呼ぶから荷物の整理をしててくれ。」 そして、最後に医務室を回った後、解散となった。 衛生兵「しかし、広い医務室だな・・・。掃除もきちんとされている。」 メディック「"資金だけは沢山ある"そうだぞ。」 ジョン「大方各国が他の国から批判されるのを恐れて沢山出しあってるって所だろうよ。」 衛生兵「まあ、俺はこれだけいい労働環境なら不満は無いがな。フミカネブルグって言うからもっとひどい所かと思ってたよ。」 メディック「ああ。知り合いの兵士達から"あそこの医務室は掘立小屋だ"って聞いてたからな。」 ジョン「それ、俺も言われたな。・・・百聞は一見に如かず、だ。」 衛生兵「なるほど、廊下を挟んで居住スペースと別れてるのか。」 ドンドン 壁を叩いてみる。 衛生兵「うん、防音性も問題なしだ。俺達、ひょっとしたらとんでもない当たりくじを引いたのかもな。」 メディック「ハハ、そうだな。最高だよ、一人一部屋なんて。」 その晩は、ジョンの部屋で三人で飲んだ。 このメンバーならどんな激戦でもやっていけるだろう。そんな気がした。
https://w.atwiki.jp/sousakujojis/pages/286.html
セブンスカラー 第三話 波乱の転校生 更新日:2020/07/03 Fri 01 41 27 タグ一覧 セブンスカラー 紫水龍香 よぉ!あらすじを担当するカノープスだ!前回は兄が生きてるかもしれないことと昔の兄のことを龍香が知り、そして新しい力!トリケラカラーでシードゥスを倒したんだったな。 その様子を見ている奴らもいたが...?どうなる第三話! 「おはよう~。」 「あ、龍香おはよ。」 龍香が教室に入ってすぐの席にいるかおりに挨拶すると彼女が振り替える。 「そう言えば昨日門限間大丈夫だった?」 龍華はかおりの後ろにある自分の席に座りながらかおりに聞くと、彼女は苦笑いしながら言う。 「いや、走ったけど間に合わなくてスゴい怒られた。外で寝てた、って言ったらはしたないってさらに怒られたし。」 「ハハ...。」 昨日の彼女の踏んだり蹴ったり具合を考えると同情する。何せ昨日の一件は何一つ彼女自身のせいではないのだから。 「あれ?そういや。龍香。何か珍しいヘアアクセだね。」 「う、うん。ちょっと気に入っちゃってさ。」 かおりが龍香の髪の毛を止めている恐竜の頭蓋骨のようなアクセサリーに目を止める。 勿論ただのアクセサリーではなくカノープスだ。ホントは着けたくないが彼曰く。 《カバンかポケットに入れられっぱなしは暇でしょうがない。喋らないからつけといてくれ。》 とのこと。特典として授業中分からないことがあればコッソリ教えてやるとも言われたので渋々つけることにしたのだ。 「龍香そんなの好きだったんだ。へー。」 「アハハ...あっ。そうだ。何か今日何か皆騒がしいね。何かあったの?」 これ以上突っ込まれたくなかったので強引に話題を変える。龍香の言う通り教室はいつもと比べて話す子が多く、ガヤガヤと賑わっている。 「なんだ紫水。オマエ知らないのか?」 「あ、藤正君。」 龍香に話し掛けてきた活発そうな少年、藤正透(ふじまさ とおる)は得意そうに言う。 「今日テンコーセーが来るらしいぜ!職員室でセンセーが言ってた!」 「へー。転校生が来るんだ。」 「と言うかなんであんた職員室に行ったの?」 かおりの質問に藤正はヘヘッと鼻の下を指で擦りながら答える。 「昨日掃除当番サボったの怒られてよ...」 「なんでちょっと自慢気なのよ...。」 「アハハ...。」 と三人が話していると授業開始のベルが鳴り、教室のドアが開いて黒髪をキッチリと整え、物静かそうな男性が入ってくる。 「よーし。HRを始めるから皆席についてー。」 男性...嵩原祐司(たかはら ゆうじ)は教壇に立つと挨拶をして、点呼を取った後また全員に向き直る。 「さて、今日はみんなに新しいお友達が一人増える。転校生だ。まだこの学校には慣れてないから皆仲良くしてほしい。」 嵩原がそう言うとクラスの皆が浮き足立ってざわざわと騒ぎ出す。嵩原はその様子に微笑みながらドアに向かって言う。 「では。入っておいで。」 嵩原の言葉と共に教室のドアが再び開き転校生が入ってくる。 その転校生は少女だった。薄く輝く金髪、銀のヘアアクセ、空のように青い瞳、そして歳に似つかわしくない程落ち着いた雰囲気。 少女はクラス全員から好奇の目を向けられながらも嵩原の隣に立つ。 「じゃあ挨拶を。」 「...雪花藍(ゆきはな あい)。今日このクラスに転校して来ました。皆さんこれからよろしくお願いします。」 雪花の挨拶に皆がより一層喋り始める。可愛いね、とか何処から来たんだろ、と口々に言う。 「ひゃー、スッゴい可愛いね。」 「うん。何か住む世界が違うって感じ。」 かおりと龍香が喋っていると、龍香はふと雪花と目線が合う。というか何故かずっと龍香を見てる。 「席は...そうだね。紫水君の隣で良いかな?」 「え。」 「分かりました。」 雪花はつかつかと歩くと紫水の隣の席に座る。 「よ、よろしくね。雪花...さん。」 「よろしく。」 「に、似合ってるね。そのヘアアクセ。」 「ありがと。」 龍香が話し掛けるが雪花は素っ気なく返す。近寄りがたい雰囲気に少し龍香が戸惑っていると雪花は龍香にだけ聞こえるようにコッソリと言う。 「放課後。ちょっと顔貸しなさい。」 「へ?」 もう一度聞こうとするが雪花はもう話す気は無いと言わんばかりにそっぽを向いてしまう。 《いきなりお誘いとはモテ期来たな。》 「そんなんじゃないと思うけど...」 カノープスがコソッと話し掛ける。しかし龍香には雪花がそこまで友好的には感じられなかった。 そして時は過ぎ。結局雪花はクラス中の生徒に話し掛けられっぱなしで龍香がHRで聞いた事の真意を聞き出す事が出来ず仕舞いのまま放課後になってしまった。 生徒の質問に雪花は素っ気なく答えるばかりであまり多くは知れなかったが、日本生まれだが外国育ちであること、両親は遠くにいること、得意なことは運動...らしい。 緊張して上手く話せないと言っていたがホントだろうかと龍香が考えていると、かおりが話し掛けて来る。 「どうしたの?考え事?」 「え、いや!あー、かおりもう帰るのかなーって!」 意識の外から話し掛けて龍香が驚くが流石に転校生にいきなり顔貸せと言われたとは言えず、誤魔化す。 「あー、そうなのよ。今日私塾だから先に帰るね。んじゃあまた明日。」 「うん。また明日。」 手を振りながら教室から出るかおりに龍香は手を振り返す。そして龍香も荷物を纏めていると、噂をすれば。件の雪花が話し掛けて来る。 「いるわね。ちょっと付き合って貰うわよ。」 「え、うん。っていや!ちょっ、ちょっと良い?」 雪花は何処か強引に龍香を何処かへ連れて行こうとする。だが、身に覚えの無い龍香は雪花に尋ねる。 「初対面なのに私に付き合えって、あなた何処かで会ったっけ?」 「来れば分かるわよ。」 「え、えぇ...」 そのまま雪花に無理矢理連れて行かれ龍香は雪花と共に学校を出る。 そして人気の無い公園までたどり着く。 「この辺で良いかしら。」 「な、何なの...?」 あまりにも急な展開に龍香が困惑してると雪花は近くのベンチに荷物を置く。 「あんたに聞いておきたいことがあるのよ。紫水龍香。」 「え。」 雪花の雰囲気が変わる。その鋭い刺すような瞳に思わず龍香はゴクリと生唾を飲みこむ。 「アンタ...」 鋭い視線を向けたまま雪花が龍香に何かを言おうとした瞬間、ピロピロと何処かから軽快な音楽が鳴り始める。雪花は舌打ちをするとポケットから携帯電話を取り出して通話を始める。 「もしもし。今大事なとこだったんだけど。え?はぁ?ったく...」 雪花は一旦携帯電話を耳から離すと龍香に指を指して言う。 「ちょっと抜けるけど逃げないでよ。」 「え、うん...。」 そう言うと雪花は何処かへと行ってしまう。龍香はポカンとなる。だがちょっとすると立ちっぱなしのもなんなのでブランコに腰掛けて雪花を待つ。 《オマエも随分変な奴に目をつけられたな。》 「そうだね...。」 カノープスに話し掛けられ龍香はハハと笑う。そう言えばと龍香はカノープスに尋ねる。 「そう言えばさ。私、変身した時姿変わるけどアレ後何個あるの?」 《ん?あー、アレは後4つ程あるが...内二つはちょっと扱いが難しくてな...。経験を積むまでお預けだ。》 「へー。じゃあ全部で7つあるんだね。あ、後さ。」 《何だ?》 龍香は少し照れ臭そうに言う。 「変身した後の名前決めない?何かこう...カッコ良さげなの!」 《...オマエの着眼点良く分からんな....》 「私が考えたのはね...魔法少女と恐竜で魔龍少女ってどう?」 《言いにくいな...》 「ダメかなー?」 等とやり取りしていく内に龍香は辺りが暗くなってきている事に気づく。 「暗くなってきたね...。」 《アイツいつまで話し込んでやがんだ...ん。》 カノープスは何かに気づいたようで龍香に警告する。 《気を付けろ。奴らだ。》 「え!?」 龍香は急いでブランコから下りて辺りを見回す。すると目の前の闇から滲み出るように一体の怪物が現れる。 「見つけたぞカノープス。」 《ペルシアンか...》 頭に赤茶色の羽毛を生やし、南米の民族衣装に身を包んだ怪物、ペルシアンがカノープスを睨む。 「初めて会った時から思ったけどカノープス人気だね。」 《昔っから敵対してっから覚えられたんだよ。人気者は辛ェな。》 カノープスは吐き捨てるように言う。一方のペルシアンは両手から紫色にユラユラ光る光弾を作り出す。 「くたばれ!!」 そしてペルシアンは龍香に光弾を発射する。光弾は龍香に着弾して弾け、爆発。龍香を吹き飛ばした...かのように見えたが、光の恐竜に守られた龍香には届いていなかった。そして恐竜が弾け、紫の形態ティラノカラーに変身完了した龍香が現れる。 《おいおい。せっかちは嫌われるぜ。》 「あなたもシードゥスなら!ここで倒す!」 龍香は“タイラントアックス”を構えるとペルシアンに突っ込む。ペルシアンは突っ込んでくる龍香に対して次々と光弾を発射する。 「てあっ!!」 放たれた光弾を龍香は跳躍してかわすと勢いそのまま“タイラントアックス”を振り下ろす。 ペルシアンもその一撃を両腕で防ごうとするが完全には防ぎ切れず大きく体勢を崩す。 「ぬっ!!」 「てあっ!!」 体勢を崩したペルシアンに龍香は強烈なドロップキックをお見舞いする。その一撃を貰ったペルシアンは大きく吹っ飛び木の幹に叩きつけられ崩れ落ちる。 「やった!!」 龍香が喜ぶ。ペルシアンは唸ると崩れるように消える。 《えらいアッサリだな...》 カノープスがいぶかしんだ瞬間。龍香の周りの地面が弾ける。 「うわっ!!」 《何ッ!?》 振り返るとそこには先程消えたハズのペルシアンがいた。 「えっ、何で!?」 「あの程度でやられる俺ではないわ!!」 先程ペルシアンが消えたところを見ると土偶のような土人形が砕けて転がっていた。 「み、身代わり?」 「その通りだ!既に貴様がアルゲティとディアデムを倒したことは知っている。何の策も無く挑むと思ったか!」 自慢気に語りながらペルシアンはさらに光弾を発射する。 「うわわっ!!」 迫り来る光弾を急いで走って避ける。光弾は地面や木に着弾すると弾けて爆発する。 「ならもう一回近づいて...!」 走りながらペルシアンの懐に入ろうとした瞬間、上空から黒い何かが降り注ぐ。死角からの一撃は流石に反応出来ず龍香は黒い何かを浴びて地面に倒れ込む。 「痛ッ...!」 《何だと...!》 上空を見ると何かが飛んでいた。その何かが地面に降り立つ。そいつは鳥のような姿をした怪物だった。 「よくやったぞファクト。計画通りだ。」 「二体一は卑怯なんて言わないでくれよ。これも戦い方だ。」 ファクトは両手に羽状の短剣を三つ構える。恐らく先程はこの短剣を飛ばして来たのだろう。 ファクトはそのまま羽を羽ばたかせ上空へと飛翔し、ペルシアンは光弾を構える。 「い、いきなり二体なんて...!」 《くっ...》 圧倒的不利な状況に龍香とカノープスは歯噛みする。 「さらばだ!カノープス!」 「くたばりな!」 二体が一斉に龍香に攻撃しようとした瞬間だった。上空のファクトに何かが高速で接近する。 「何!?」 高速で接近した何かはファクトに向かって蹴りを放つ。ファクトはそれを腕で防ぐ。だが追撃の手は緩まず、身体を捻ってもう一度蹴りを放つ。今度はファクトの脇腹にクリーンヒットし、大きく吹き飛ばす。 「な、何?」 「なんだと...!?」 突然の介入に龍香とペルシアンが驚いている時だった。 「まだまだ全然素人ね。」 「えっ...雪花...さん?」 そう。そこに現れたのは転校生、雪花だった。 「そこで見てなさい。私が見せてあげるわ...本物の戦い方って奴をね。」 そう言うと雪花は銀のヘアアクセに触れる。 《Awake》 音声が鳴り響き、アクセサリーから光が溢れて輪が形成される。そしてその輪が雪花を包み込み、弾ける。 そこには青と白の装甲に身を包んだ戦士がいた。 《Crush the Night Daybreak!》 「アンタらシードゥスは私がこの手でブッ潰す....!!」 一方上空では突然自分を襲った存在とファクトは対峙していた。そいつはボロを身に纏い、鳥の嘴のようなマスクを着け黒い翼を生やした青年だった。 「なんだオマエ...!」 「オマエを倒す者だ。」 「そういうのを聞いてんじゃねェよ!!」 ファクトはその青年に向かって短剣を投げつける。だが青年はそれを上空へと飛翔して回避する。 「今度は俺から行かせて貰う。」 青年は背中の翼から大量の羽を飛ばす。範囲の広い攻撃にファクトは避けきれず何発か被弾してしまう。 「このッ...!?」 《スパイダー》 ファクトが羽に当たりよろけた瞬間ファクトを白い糸が襲う。白い糸はファクトを完全に捕縛する。 「うおッ!?」 見れば青年のマスクと両腕が蜘蛛の口のような物に変化し、両手から糸を伸ばしている。青年は落下しながらぐるんと空中で一回転すると糸の先にいる拘束されたファクトを地上に叩きつける。 「ゴフッ」 「トドメだ。」 《クロウ》 青年のマスクが再び鳥の形になる。そして翼をはためかせると翼が一気に硬化する。そして急降下しながら硬化した翼を一気にファクトに叩きつける。硬化した翼はまるで刃物のようにファクトの身体を引き裂いた。 「がッ」 青年が地面に降り立つと同時に引き裂かれたファクトは爆発四散する。 青年は爆発したファクトを一瞥すると身を翻して空へと飛翔した。 「このッ...なんだオマエは!!」 突然乱入してきた雪花にペルシアンは光弾を飛ばす。だが雪花は全く怯まずペルシアンに突っ込む。 「はぁッ!!」 雪花は全ての光弾を回避しながら右手にバーストライフル“モルゲン”を構えるとペルシアンに向けて発砲する。放たれた弾丸は残らずペルシアンにヒットし、ペルシアンの身体から火花が散る。 「うおりゃッ!!」 怯んだペルシアンに雪花は回し蹴りをお見舞いし、“モルゲン”の銃床で殴り付ける。さらに追撃で至近距離で撃ちまくる。 「ぐぉあおァッ!?」 「二体一じゃなきゃ素人にも勝てない雑魚が私に勝てると思った?」 ペルシアンは怒涛の猛攻にもんどり打って倒れる。雪花はマガジンを交換しながらペルシアンを挑発する。 「ぐぬぬ、言わせておけば!!」 ペルシアンは光弾を辺り一面に撃ちまくって砂を巻き上げ即席の煙幕を作り出す。煙幕に包まれながらも雪花の目はペルシアンに向けられたままだ。 そして煙幕を切り裂き奇襲気味にナイフを構えたペルシアンが右から雪花に襲いかかる。 「ナメんな!!」 だが“モルゲン”の銃口は既にペルシアンの眉間を捉えていた。銃声が響き、ペルシアンに銃弾が叩き込まれ崩れるように消える。 「気を付けて!!それは身代わり!」 「遅いッ!」 龍香が警告すると同時に逆方向から本物のペルシアンが光弾を放つ。だが雪花は腰部の武装ラックから小型ナイフ状の武器“シャハル”投擲装甲炸裂弾を取り出すと身を捻って光弾を回避しながら投擲する。 雪花が投げつけた“シャハル”投擲装甲炸裂弾はペルシアンの右手に突き刺さると爆発し、右手を吹き飛ばす。 絶叫してのたうち回るペルシアンに雪花は蹴りを入れて仰向けにすると腹部に“モルゲン”の銃口を密着させる。 「チェックメイトよ。」 「待っ」 ペルシアンの懇願虚しく雪花は引き金を引いて全弾をペルシアンに叩き込む。流石に耐えきれずペルシアンは爆発四散してしまう。 「つ、強い...。」 自分達が苦戦した相手をああも一方的に倒す雪花の戦闘力に龍香は戦慄を感じる。 龍香が見つめる中雪花は龍香に振り返ると変身を解く。そして思わず身構える龍香に近づいて言う。 「人来るかもしれないし離れるわよ。早くしなさい。」 「え?あ、はい。」 雪花の言葉に龍香は変身を解く。そして雪花に連れられて戦場となった公園を後にするのだった。 雪花に連れて来られた場所は何処かの家だった。そしてその家の前に一人の青年が立っている。青年は近づく二人に気づくと話し掛けて来る。 「藍。その様子だと首尾よく倒せたようだな。」 「当たり前でしょ?私を誰だと思ってるの?」 「はいはい...で、この子が噂の紫水龍香ちゃんか?」 青年は龍香の向いて尋ねる。 「あ、はい。そうです。」 「俺は黒鳥 飛鳥(くろとり あすか)だ。よろしくな。」 そう言うと黒鳥は握手を求めて手を差し出す。龍香も手を出して握手をかわす。 「あ、こちらこそ....じゃなくて!雪花さん!」 と、交流をかわしたところで龍香は雪花に尋ねる。 「あなた達何者なんですか?シードゥス倒しちゃうし、なんか...強いし。」 「それはいまから来る人に説明して貰いなさいよ。」 「うっ...あ、そう言えば私に聞きたい事って何だったんですか!」 「アンタがクソッタレのシードゥスと戦ってんのか確認したかっただけよ。」 説明するのも面倒と言った具合に雪花は取り合わない。黒鳥はやれやれと額を押さえている。龍香がそれでも尋ねようとした時だった。 「おや。皆揃ってるね。」 聞き覚えのある声。その声の主は家のドアを開けたその先いた。物静かそうな雰囲気を漂わせる男。龍香には見覚えのある人物だった。 「嵩...原先生...?」 嵩原はニッコリと笑うと龍香に向かって言った。 「ようこそ新月へ。歓迎するよ紫水君。」 To be continued... 関連作品 セブンスカラー
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/27.html
「さっきからこっちを見やがって! 姿を現せ!」 そういって櫻風が草むらに飛び込む。が、 「櫻風!」 草むらの奥が激しく光ったかと思うと、櫻風が紙切れのように吹き飛ばされていた。 櫻風は無事なようだがもう先ほどの気配は無くなっている。きっと逃げられたのであろう。響紺が相手が逃走した痕跡を探そうとしているが何も見つかってはいない。 「大丈夫か、櫻風!」俺は櫻風に駆け寄った。 「ええ、お気になさないで下さい・・・・・・。それにしてもあやつの正体は一体・・・・・? 一瞬の出来事でしたので、こちらも姿を拝見することが出来ませんでした。」 櫻風が悔しそうに言う。だが、俺は首を横に振った。 「お前が無事ならそれでいいんだ。お前を無理させると亘に申し訳が立たないからな。・・・・・とにかく、一度皆で集まろう。」 俺は響紺を呼び寄せると、緊急時の集合場所である、応接間へと向かう。そのときだ、 「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」 「美永さん!?」 その悲鳴の主をすぐに美永と俺は判断がついた。響紺の背に乗って、中央の大広間へと急ぐ――――。 「こ、これは・・・・・?」 「なんていうざまだ・・・・・。」 「酷いですね・・・・。」 俺たちは酷く荒らされた大広間を見て唖然とした。障子は引き裂かれ、壁の高価な絵までもに何者かの爪あとが深く残っている。それになにより、 「美永さんが居ない!」 ここに居たはずの美永の姿が何処にも窺えなかったのである。俺は近隣の部屋も探すが、やはり居ない。 "誘拐――――。" そんな言葉が脳裏を過ぎる。そして振り向くと、 「何者だ・・・・・・、お前・・・・・?」 俺は幻影かとも思われる物を見て呟く。 「さあな・・・・・・」 目の前の不気味な生物は静かに答えた。響紺と櫻風は戦闘態勢に入っている。だが、俺は、 「美永を降ろせ。」 奴の背に横たわっている、美永と奴の眼を交互に凝視して言った。 「その注文には・・・・・答えられないな。こちらも用があってこの娘をお借りしているんでね。ちょいと暴れたもんだから手荒くやっちまったが・・・・・・な。」 そういって、奴はやはり不気味に笑う。 「美永を・・・・・・降ろせ!!」 俺は奴に向かって駆け出した。響紺と櫻風も後に続く。 「薫殿、お力をお貸しします・・・・・。」 俺の前に先ほどの薄緑色のビジョンが映し出された。櫻風の予想する、奴の動きが俺に伝わってくる。今こそ"神風飛翔鶴の業"を使うときだ。と俺は直感する。 「よし!」 俺は高く跳躍した。 さらに最高到達点に響紺が先回りして自らを俺の踏み台とする。 「神風飛翔鶴よ、俺の拳に神風を宿せ!!」 俺はありったけの力でそう叫び、ありたっけの力で化け物の顔面を殴りつけた。 が、しかし、 「効いていない!?」 俺は奴の体をすり抜け余った勢いで壁に叩きつけられたのだ――――。
https://w.atwiki.jp/xxxxxxx/pages/22.html
青白い閃光が辺り一帯を輝かせる中、薫は響紺の身に起こった変化を目撃した。 美しいことこの上ない程の真っ白な体毛。その毛は尾の先に至るまで、響紺の体を包み込み、表情はより凛々しくなっている―――。 「響紺・・・・・・?」俺がそう呟いたときだ。 「薫・・・・・聞こえるか?」 何処からともなく声がする。燈華かと思えば違った。となれば考えられるのは、 「聞こえるか? 薫・・・・・。我の声は聞こえるか?」 響紺である。響紺の声が聞こえた。しかし、響紺は口を開いてはいない。 それどころか、 「薫様、燈華です。聞こえますか・・・・?」 燈華の声までもが耳に入る。だが案の定、燈華は口を開かず真っ直ぐにこちらを見ていた。 「薫。これは我等、仕狼たちにそなわる能力、以心共鳴だ。これがある限り、我等は主人と心で会話することが出来る。そして心で我に指示を下すことが出来る」 響紺が丁寧に解説してくれたお陰でなんとなくだが、以心共鳴の意味が理解できた。 「薫」「薫様」 俺は二人を声を聞き、しばらく目を瞑ると、燈華の作った結界を飛び出すとそれと同時に響紺と燈華も俺の側を駆ける。 「薫、奴の結界は非常に強力だ。壊すのは至難の技だが、一点攻撃には弱い種類の結界なんだ。だから・・・・・」 「三位一体攻撃ってわけだな」 俺が響紺の台詞を取ると、響紺は微かに笑みを浮かべると、 「神風飛翔鶴よ、その風を刃と化せ! 風刃!」 まさに風は全てを切り裂く刃となり、木々を薙ぎ倒しながら結界に衝突する。 さらに端から燈華が凍矢をピンポイントに直撃させた。 「なんだか知らねぇが、やるしかねぇ!」 俺は走りながら小石を拾うと、大きく跳躍して、 「神風飛翔鶴よ、俺の思に答えよ!」 そう大きく叫んで小石を燈華の凍矢が刺さっている場所目掛けて投げつける。 小石は風を纏うと結界を直撃し、爆砕した。だが、俺は突然、動きに勢いを無くして落下し始める。 「薫様!」 それを燈華が間一髪で受け止めた。その一部始終を見ることなく響紺は止めの一発を、 「神風飛翔鶴よ、神風を熾せ! 超大響界神風!!」 加える。至近距離から放たれたウルトラ級の一撃は相手の反抗を許すことなく、結界を破壊、粉砕した。 「くそ、こいつらやってくれる・・・・・・」 亘の余裕の表情は無くなる。 「烈天神凰鳳よ、愚者どもを葬り去れ!」 そう言った瞬間に亘を紅蓮の炎が包んだ。 「皇火煉獄・覇!」 あたりの風景が一瞬にして変わる。あまりに鋭い閃光が辺りを襲うために俺たちは思わず目を瞑ってしまった――――。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2244.html
アルトアイネス奮闘姫 第三話「あたしがウイナー?」 『君達が調べた通り、スイカ君のコアには秘密がある。今はただの神姫かもしれないが、戦闘中にそのシステムが発動する可能性はある』 声だけの男は続けた。 『いつでも、メロン君にスイカ君を止めることが出来るか?』 それは戦えという意味に他ならなかった。 「やだ……」 メロンの視線の先にはスイカがいた。 「どうしてスイカと戦わなくちゃいけないの!」 メロンは勝見の手の上に乗って、スイカから離れていた。あまりスイカの耳には入れたくない話もしなくてはならない。 メロンは涙を浮かべて勝見に向き直った。 「じゃあ、スイカと別れるのか」 「それはだめ、でも……」 いつものように言葉が続かない。 「いざとなったらスイカを止めるないといけない。それが出来るのは、お姉ちゃんのメロンだけだ」 「いざって、なに?」 「いざっていうのは……」 スイカが持っている力の大きさ、それは映像で知った。生馬が見せたrootの戦闘データだ。あの化け物と同じ力を持っており、戦いに使えばその戦いはバトルにならないだけでは済まない。 けどスイカが同じことを出来るのだろうか。そう、いざとはスイカがrootの力を持ったときのことだ。 そこまで思考がたどり着いたとき、勝見は背筋がゾワッとした。 (そうか、そういうことか) どうしてなのか、はっきりとわかった。 「スイカは危険な神姫、いやMMSとして危険なんだ」 「よくはわかんない」 「詳しくはあとで話す」 言葉で説明するのは難しい。しかし、今伝えることは一つだ。 「かい摘んで言うと、スイカは普通じゃない。危険なほど強い」 「私より?」 「危険になる」 勝見はうなずいた。 「だから、いざとなったら止めなきゃいけないんだ。絶対に」 「でも、スイカを力で止めたら、スイカは傷く」 「だからスイカを止める役が必要なんだ」 「止める役は……あたしなのね」 「そうだ」 メロンはスイカに歩み寄った。 「今の話は聞いてた?」 「聞こえなかった」 「そう」 メロンはうつむき、つぶやくような声で続けた。 「これから何するかはわかる?」 「私とお姉ちゃんが戦う」 わずかに目を細めて、スイカはメロンに視線を向ける。 「お姉ちゃんは私を守るのか、それとも戦うのか?」 とてもわかりづらいスイカの表情、多分心に浮かんでいるのは不安だ、とメロンは思った。 黒い天使と称され、大人びた雰囲気を持ちやすいリペイントアーンヴァル。しかし、メロンの目に映っているその姿はとても小さかった。 見上げながら、スイカの頬に触る。 「よく聞いて、スイカ」 赤い目同士が見つめ合う。まだ姉妹になって一日しか経ってない。けど何が何でもこの子を守りたいと思っているあたしがいる、そうメロンは感じていた。 「これからあたし達は戦わないといけない、本気でね」 スイカの頬をなでるメロンの手の甲に、さらさらした金色の髪が触れる。 「でもね、お姉ちゃんはいつだってスイカの味方だよ」 「戦う相手が味方、それは矛盾する」 「そうね、でもここで本気で戦えば、スイカもあたしも家に帰れる」 「お姉ちゃんは家に帰りたいのか?」 「スイカと一緒に帰りたい」 頬をなでるメロンの手に、スイカは手を重ねた。 しばらくの無言、スイカの表情は変わらないが、何か考えていることはメロンにはわかった。 「わかった」 重なる手にメロンはわずかに力が入るのを感じた。 「お姉ちゃんと戦う」 バトルロンドは筐体の中で行われ、武装は筐体に入るとき、自動にセットされる。 メロンは筐体の中で服を脱ぎ、武装に備える。 戦乙女型アルトアイネス。 戦乙女、ワルキューレ、バルキリー。その名に違わず、武装のシルエットは戦うメカとして洗練され、黒い鎧となってメロンの体を包む。 先行機のアルトレーネをマイナーチェンジしたものがアルトアイネスであり、メロンの小さな体には大きすぎる武装だ。だが、そのアンバランスさ、危うさこそが神姫の最大の魅力でもあった。 華奢な太ももから伸びる黒く力強い両脚、肩には細い腕に対して数倍も太い副腕を備え、装甲の表面には大きなクリスタルの装甲が血を吸ったように紅く輝いている。メロンのやさしさを押さえつけるきわめて攻撃的な姿だ。 右副腕にはダブルクリスタルブレード、左副腕にはアモルファスシールドが装備され、攻守の中心となる。 華奢な胴には本来スカートアーマーがあるのだが、今回は背中に接続している。スカートアーマーの内部にはスラスターが複数を備えて機動力を確保するのだ。しかし、組み替えを行い背中に接続すると、スカートは展開して黒い翼となり、空を羽ばたくことができるのだ。 防御力を失う代わりに空中戦の能力を獲得する。アーンヴァルとの戦いには飛べる装備は必要不可欠だ。 「戦いは空中戦になる、アーンヴァルの戦いは一撃離脱だ」 筐体に入る前に勝見からもらったアドバイスをメロンは思い出す。 アーンヴァルの戦い方はリアパーツの高機動力とレーザーライフルの大火力、高度なセンサーを存分に生かした一撃離脱戦法。構想は単純であるが、いまだに強力な戦術であり、打ち破るには、機動力、火力、命中力のいずれかをねじ伏せなければならない。 バトル開始。 スイカは飛び上がりながら距離をとり、機関銃で牽制射を加える。アーンヴァルの装備、アルヴォPDW9、威力は高くないものの、取り回しのよさと反動の少なさが売りであり、牽制やレーザーライフルのつなぎとしては最適の銃だ。 慌てることなく、メロンは左副腕のシールドで防ぐ。 (初めての実戦のはずなのに) 機関銃の攻撃は余裕を持って対処できている。弾丸もシールドで弾かれ、ダメージにはならない。しかし着弾は多く、スイカは狙いを違えてはいない。 もちろんいつまで受けに回るつもりはない。黒い翼を広げると軽くジャンプして高度を取る。 その間にスイカは攻撃を加えずにさらに距離をとっていた。すでにレーザーライフルの間合いだ。 上昇の間は狙いがつけにくいが、その分水平面での動きは小さくなる。前後で言えば移動してないと同じだ。そうしてる間に距離を取る、ということをしているスイカは、明らかに戦い方を知っている。 レーザーライフルの初弾がメロンを襲う。狙いは確かだが、メロンは小柄な体を生かし、紙一重でレーザーをかわした。 傷つけないようになんて余裕はない、その気でかからなければ負ける、とメロンは思った。 しかし、そのことがメロンにはひどく悲しいことに思えてきた。 スイカは本当に何も知らない、でも戦い方だけは知っている。それはとても悲しいこと。 痛いことはあっても体が痛いだけ、心が痛いことはない。誰とも心を通わせたことがないから。それはもっと悲しいこと。 あたしには勝見がいつもいてくれる。スイカには誰もいない、そんな人形って一体何なのだろう? (ううん、あたしがいる) 空を見上げて黒い翼を広げた。どう戦えばいいのか、メロンはやっとわかった。 メロンは間合いを詰めてきた。スイカにとっては予想通りの機動だ。 メロンに遠距離の武装はない、右副腕のダブルクリスタルソードのみだ。 ヘッドセンサーの修正値と大型のリアウイングの安定性に任せ、レーザーライフルの引き金を引く。 今度はインメルマンターンでメロンはかわそうとするが、初弾から修正値を得たスイカの狙いはメロンが思っている以上に正確だった。 かわしたはずなのにレーザーライフルは直撃コース。メロンは左副腕のアモルファスシールドで防ぐが、前進しつつ受けるレーザーにこらえきれず、左副腕は根元から外れてしまう。 ところが、メロンはその反動を利用して、重心をずらし、レーザーの周囲をなぞるように飛び、さらに間合いをつめた。 間合いが近過ぎて、第三弾を放つ時間はない。メロンは左副腕を犠牲に距離とレーザーライフル奪ったのだ。無茶な戦い方だが、合理的。これが実戦(バトルロンド)なのだ、とスイカは思った。 接近戦では余分なウエイトになるレーザーライフルを破棄、代えて両肩のライトセイバーを選択。二刀流となったスイカは、ダブルクリスタルソードを受ける構えを取る。 メロンは思い切りソードを振り下ろし、セイバーを力任せに押し切ろうとした。 しかし、接触する瞬間、スイカは思い切り上昇し、ソードをかわす。メロンの攻撃はむなしく空を切る。 その上昇から反転、スイカはメロンの上方を取る。 「はぁ!」 ほぼ真下へ向かってスイカは切りつける。威力は通常の倍は出ているだろう。 気がついたメロンはシールドで防ごうとするが、シールドの左副腕はもうない。 右手のライトセイバーがメロンの左肩の非装甲部に直撃。 「ぐはっ!」 痛みにこらえられなかったのか右副腕のソードを落とす。 追撃し畳み込みをスイカはかけた。しかし、そのとき、メロンは残った右副腕を伸ばしてきた。 間合いは近く回避は間に合わない。伸びた右副腕はリアウイングをホールドした。その直後、スイカはバランスを崩し、ライトセイバーを離してしまった。 しかも、崩れたバランスは一向に悪くなり、そこからメロンに体当たりする格好になったのだ。 高度が急激に落ち、地面が迫る。 「お姉ちゃん、離れて!」 、二人はもつれたまま地面に落下した。 ビションに映る土煙の中に、黒い影が立ってた。 「メロン、お願い!」 ブーケが悲鳴のような声で応援する。 勝見、生馬、匠、ルーシェ、ブーケ、その他センターに来ていたギャラリーも見守る中、戦いは終盤を迎えていた。 「見えるぞ!」 土煙が薄くなり、立っていたのは……スイカだった。 「メロン!」 勝見は思わず叫んだ。 ビジョンに映るスイカにダメージを受けた様子はない。 土煙が収まるとスイカの足元にはメロンが倒れていた。あちこちに汚れがつき、右の翼は折れて、ぐったりと地面に横たわっている 「そんな……」 メロンが負けたのだろうか。筐体を見るとメロンのロゴには動作停止の赤いマークがつけられていた。 しかし、誰もが予想しないことが起きた。 「オーナー、私は降伏します」 見ている人間と神姫は耳を疑った。 「これ以上は戦っても勝ったことにはなりません」 スイカはひざをつき、メロンを抱き上げた。 「お姉ちゃんが私を守ってくれた、から」 『「止めた」、な』 「いいのですか?」 あの声とセンター長が話していた。 『まあ、いくらrootと同じシステムでもスイカ君は素人だ。素人らしからぬ戦いを見せてくれてはいるが』 声は感心したような声で続ける。 『相手の神姫を傷つけずに止める。あのアルトアイネスは力ではなく、心で止めたんだよ』 バランスを崩し、地面に激突するまでの映像を再生する。 もつれ合ったとき、メロンはスイカを抱きかかえていた。大きさだけならメロンの方が小柄なのに、腕はスイカの腰と頭に回し、がっちりと固めている。しかも接地直前には黒い翼まで使ってメロンを包み、全身でかばっていたのだ。 『はじめは成行きだった。でも今は、ぜひアイネス、メロンにスイカを任せたいと思っている』 「私もそう思います」 「戦闘は終了。起きて、お姉ちゃん」 メロンは気を失ったままだ。 「お姉ちゃん、どうかしたのか?」 頬を叩く、しかし、メロンに反応はない。 「オーナーに通達、メロンに異常、至急、修理を希望、早く……早くしてください!」 スイカの腕の中、メロンはピクリとも動かなかった。 メロンが起きないのは寝不足の電池不足のせいだったが、周囲がそれに気がつくのは一騒動あってからのことだった。
https://w.atwiki.jp/fantasyworld142/pages/40.html
ざわざわ… 「はい、静かにして!今日は転入生を紹介します。さ、入って。」 「あ、はい…」 「転入生の紅蛇蓮華よ。学級委員の永江依玖、いろいろ案内してあげて。」 「はい。」 何か変な衣を着ている人が立った… 「永江依玖です。よろしくお願いします。」 「あ、こちらこそ…痛い!」 「あ、失礼…静電気が貯まりすぎてました…」 静電気!? 「まあ、とりあえず各クラスには担任、副担任、学級委員が一人ずついます。このクラスの副担任は上白沢慧音さんですが…今は職員室みたいですね。」 堅苦しいのは嫌だけど… 「じゃ、今日はこれで終わりよ。ほかの教室も見にいったら?」 「はい…。」 -一組- (窓から覗いてる) 「というわけでみんな、二学期もよろしくね。」 (何か普通だな…) 「ところで誰か血をくれない?」 (えー!) 「俺が!」「いや私が!」 (何このクラス!) -二組- 「もうどうでもいいじゃない?藍もいないしね。」 「幽々子様、ちゃんとしてください絵文字」 (変な人…) -四組- (何か暗いわね…) 「さあ、神奈子様と諏訪子様を崇めるのです!」 「ああ~」「うう~」 (何かやってるー!もはや理解できない!) -五組- 「…」 「…」 (暗い…あの担任のような鬼は止めないのかな…) -六組- 「なので…」 (よりによって四季教頭のクラスか…長そう…) -七組- 「はい、じゃあおしまい。」 「起立!気をつけ!礼!」 (ここは普通のクラスみたいね。) ピチューン、ピチューン(やっぱ慣れにくいなあ、このチャイム…) 「ああ、いたいた!」 「依玖、どうしたの?」「部活を紹介しようと思って…」 「部活か…」 まあ、見てみようかな。 合計: - 今日: - 昨日: - 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/762.html
カチャ・・・カチャ・・・モグ・・・モグ・・・ クイッ・・・コクコクコク・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・あー!もう!さっさと食べなさいよ!このバカ帽子ぃ――――!」 いや、帽子が飯を食うはずがないだろう。 『変な帽子みたいな使い魔』 朝食を終えてルイズと帽子は教室へと向かった。 ちなみに帽子用のパンとスープは近くのマリコルヌの食事に混ぜといた。 ルイズがふわふわと帽子を従え、教室に入る。しかしいつも浴びせられる嘲笑が今日はなかった。 みんな眠かったからである。 というわけでつつがなく授業は開始された。 が、しかし。 「随分珍しい使いm・・・ゲフンゲフン帽子を召喚しましたのねぇ、ミス・ヴァリエール」 (なんでわざわざ帽子って言い直すのよ!クソがァ!) 「おいおい!昨日召喚が失敗したからってその辺歩いてた帽子を連れてくるなよ!」 (帽子がその辺歩くわけないでしょ!このピザーラが!) 「まさか帽子を使い魔にするなんて、流石『ゼロ』のルイズねぇ!おっほっほ」 (うるさいバカ女!その乳引き千切って背中に移植するわよ!) 教師のミセス・シュヴルーズが指摘したせいで、帽子を召喚したルイズへの嘲笑が始まり、 睡眠不足のイライラも手伝ってルイズはあっさりリミットブレイクに達した。 (なんもかも全部お前がわるいんじゃあああああああああああああああ!!!) ルイズは近くにあったキンケシを全力で帽子めがけて投げつけた! ド・シュゥゥゥゥゥゥウウッ! キィン! ボギャアッ! 「うぎゃあああああああああ!!!?」 「どうした!?マリコルヌ!?マリコルゥゥゥヌッ!!」 「・・・ほへ?」 うしろを見てみれば今投げたウォーズマンがマリコルヌ(ピザーラ)の顔面に突き刺さっていた。 (どういうこと?一体なにが起こったの? わたしは確かに今、上でふわふわしてる小憎らしいあんちくしょー目掛けてぶち込んだはず! なのにそれがいつの間にかうしろにいた小憎らしいあんちくしょーにぶち込まれていた! ・・・ん、あれ?結果オーライ? いやいや待て待て落ち着きなさい。偶数を数えて落ち着くのよ・・・ 偶数は荷が割れるということで引越しの日には向かない不吉な数字・・・ わたしに勇気を与えてくれる・・・ ・・・あれ、ゼロって偶数なのかしら?・・・) ルイズがゼロが偶数なのかどうか思い出そうとしていると、 「ミス・ヴァリエール!!」 「うひゃあ!?」 「ぐぼッ!」 いきなりシュヴルーズに呼びかけられ、ルイズは驚いた拍子に地獄突きを叩き込んでしまった。 「すすすすいません!ミセス・シュヴルーズ!!」 「うごッ!ごほッ!おげッ!げほッ!」 結局、授業を聞いてなかったことと地獄突きかましたことの罰で、 ルイズは前に出て『錬金』をやらされるハメになった。 「ルイズ、止めときなさいよ、どうせ失敗するんだし」 「うわああああああん!!あんまりだあああああああああ!!」 「ブーブー」 「『ゼロ』は引っ込めー、帰れー」 「かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ」 (この便器に吐き出されたタンカスどもがァァァ!末代まで祟ってやるからなァァァ!!) バッシングの嵐を前にルイズは再びリミットブレイクに達しようとしていた。 そんな生徒達の上には帽子がふわふわと漂っている。 『やれるもんならやってみろよ、『ゼロ』のルイズ』 と言っている様な気がして(被害妄想である)、ルイズは本日二度目のリミットブレイクに突入した。 (どいつもこいつもわたしをなめくさりやがってええええええええええええ!!!) 全身全霊をこめて錬金対象である小石に向かって杖を振り下ろし、 チュドォォォォォォん やっぱり失敗した。 『失敗する可能性があることは失敗する』ンッン~、名言だね、これは。 「けほっ、こほっ」 (う~・・・やっぱりわたしって駄目なのかしら・・・) そろそろキュルケ(バカ女)がルイズをからかう声が聞こえてくる・・・筈であった。 「キュルケ、しっかり」 青い髪でメガネをかけた少女―ルイズはまだ知らないが名はタバサである―が、 隣の席のキュルケを揺さぶっていた。 なぜかキュルケは頭にでっかいタンコブをつくって気絶していた。 「・・・はえ?」 ルイズは教室を見回した。 「マリコルヌ!?今度は一体どうしたんだ!?マリコルゥゥゥヌッ!!」 「ペリーコロ!!目を覚ませ!!」 「マルク!故郷に許嫁がいるんだろ!?死ぬんじゃない!マルク!!」 「メディィィィック!メディィィィック!」 何人かの生徒がそろって気絶していた。彼らには奇妙な共通点が二つあった。 一つ、皆頭にでっかいタンコブが出来ていたこと。 二つ、彼らはさっき、ルイズをバカにしてきたやつらだったということ。 「・・・いったい、なんなのよぉ~」 すっかり混乱したルイズを尻目に、 変な帽子みたいな使い魔はマリコルヌのタンコブの上に、ぽふ、と乗っかった。 これがいわゆるピザハットである。 第三話『キンケシは硝煙の香り』完ッ! バ―――――z______ン! To Be Continued → 目次
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1582.html
ハウリングソウル 第三話 『開店・本屋の朝』 「マスター! その本は出版社が違いますよ! それは圭分社の本です!」 「ん・・・・・じゃあこれは?」 「それは雑誌コーナーです! ついでに今左手に持ってるのが文庫コーナーでそこに山積みになってるダンボールは全部コミックのコーナーです!」 僕は机の上からマスターに向かって言った。 全く、マスターは僕たちがいなかったときはどうやって本棚の整理をしていたんだろう? 「・・・・・・・・・・マイスター。片付け、下手」 「・・・・さり気なく人が気にしていることを言わないでもらえるかな」 ノワールがそういってチラリと僕のほうを見る。僕は苦笑しながら肯いた。 「ハウ、仕切り屋さん。マイスター、片付け下手。ノワール、大変」 「しっ仕切り屋さん!? だって仕方ないじゃない、僕だって仕切りたいとは思ってないの! あんまりにもマスターが・・・・・アレすぎるから」 「アレとはなんだねアレとは。というかノワール、お前さっきから何もして無いだろう! 少しはハウを手伝いたまえよ」 「ノワール、今日レジ打ち。役割分担する」 何やら混乱しているけれど今日はマスターの経営する本屋の品出しの日だ。 普段からあまり物を片付けない性格のマスターだから、やっぱりというか何と言うか、品出しはまだまだ終わりそうに無い。 さて、ここら辺で自己紹介をしておこう。 僕はケモテック社製・犬型MMSハウリンの“ハウ”だ。 名前がそのままなのはマスターが僕の分の名前を考えていなかったかららしい。何でも急に僕に名前が必要になったとかでつけた名前が“ハウ”。もう少しまともな名前にしてくれなかったのかと少しだけ思う。 でもマスター、悪魔型ストラーフの名前はちゃんと考えてたんだよなぁ・・・・。 何か不公平かも。 「おいこのままじゃ開店時間に間に合わないぞ。ノワールも手伝え!」 「開いてもお客さんあまり来ない。遅れても問題ない」 「さり気なく酷くないかね!?」 「むしろ直球で酷いと思いますけどね・・・・あー! それはアダルトコーナーですっ!! 児童向け絵本の棚に置いちゃダメー!?」 マスターが左手に持っているのはいかにもそれっぽいアダルト雑誌だった。 それをみたノワールは照れてるのか、無言で顔を赤くしている。 ・・・・・本当に、僕たちが来る前はどうやって生活していたんだろうこの人。 「・・・おお」 「驚いてないで急いでください! 早くしないと開店時間になっちゃいますよ!!」 というか、いつのまにか開店五分前になっていた。 このままじゃ間に合わない。 「もう! とりあえずマスターはその・・・アダルト本をダンボールに戻して! ノワールはそのままレジのお釣りを確認して! マスターはそれ終わったらダンボールを全部奥に引っ込めてください! シャッターは僕が開けておきますから!」 僕はそう怒鳴って机から飛び降りる。足にはブーツを履いているので着地の衝撃はそれほど無かった。 「・・・・・・・・やっぱり、仕切り屋さん」 机の上からノワールの声がぼそりと聞こえたけどとりあえず無視してシャッターのボタンへ走る。 シャッターのボタンは柱の上のほうにある。いつもならマスターが乗せて行ってくれるんだけれど今日は・・・・・ダンボールと格闘しているからダメだ。 走ってボタンに近い机の下に辿り着いたけれど、上るのに使えそうなものが無かった。 椅子は・・・・何で物置みたいにいろいろ置かれてるんだろう。全くマスターったら! 「しょうがないな・・・・ていっ!」 僕は机についている半開きの引き出しの上に飛び乗った。乗ったまま次の段の引き出しを少し開けてまたその上に飛び乗る。それを二回繰り返すと無事に机の上に乗ることが出来た。ちょっと無茶をしたせいか頭に被ったテンガロンハットが少し傾いた。それを治しつつ僕は柱に取り付けられたボタンに向かって飛び蹴りを加えた。 お店の入り口のほうでシャッターが開く音が聞こえる。 と同時に 「お~シャッターの前に立ったら開いたぞ? 歓迎されてるのか?」 「ご主人様、それは無いんじゃないかと・・・・」 「全くアニキは馬鹿だなぁ~! アニキがVIP待遇なんて受けれるわけ無いじゃん」 「ね、姉さん。そういう風に言うのはどうかと・・・・」 「多分ダーリンはこの本屋で如何わしい本を買うつもりなんだね・・・そしてそれを研究してあたしたちがその毒牙に掛かるんだ・・・・」 「お前ら俺をどんな目で見てんだ! とくにルーナ!」 何だか騒がしい声が聞こえてきた。 開店開始直後にお客さんが来るのはとても珍しい。 「いらっしゃいませー」 ダンボールとの格闘を終えたらしいマスターがお客さんに向かって挨拶をする。 ・・・・そうしてるとちゃんとしたお姉さんに見えるんだけどなぁ。 開店早々に来た男の人はそのまま雑誌コーナーのパソコン誌売り場に直行した。パソコンがすきなのか少し楽しそうだ。 「え~! パソコン雑誌なんて詰まんないよ! スポーツのコーナーに行こうよ~!」 右肩に乗った悪魔型が彼女のマスターにそういっている。 ノワールとは随分印象が違うけどあれが普通のタイプ・ストラーフだ。・・・・・ノワールがストラーフにしては大人しすぎるんだよね。 右肩には色の白いストラーフをもう一体乗せていた。こちらは普通のストラーフに比べると大分大人しめな空気だった。左肩には天使型アーンヴァルと対照的に黒いアーンヴァルを乗せている。結構不思議な光景だった。 「いいだろ別に。お前らだけでどこかに行こうとするなよ!? 他の人に踏まれても知らなねぇぞ!?」 彼女達のマスターがそう叫べば黒いアーンヴァルが 「あ、プレ○ボーイが向こうの棚に」 と言い、白いストラーフとアーンヴァルは 「あ、アンジェラスさん。お料理の本が向こうにありますよ」 「本当だ。・・・・ご主人様~もっと向こう側に寄ってください~!」 と言う。 彼女達のマスターは彼女達の反応に一々返事を返している。 その様子を見かねたのか、僕のマスターが助け舟を出した。 「お客様、神姫を下ろして差し上げても結構ですよ。朝方ですからあまり人もいませんし。それにうちの神姫も自由に歩き回ってますから」 「あ、ありがとう御座います。おら、お前ら店員さんに礼を言えよ?」 彼女達のマスターが言うと肩に乗っていた神姫たちが一斉に僕のマスターにお礼を言っていた。 そのまま四人とも思い思いの本のコーナーに歩いていってしまう。 ・・・・・というか、ルーナって呼ばれた黒いアーンヴァルがアダルトコーナーに行ってるんだけど。見なかったことにしよう。 「ふふ・・・大変そうですね」 「まぁ・・・・大変ですね」 マスターと彼女達のマスターが苦笑いをしながら話している。 さて、僕は・・・・・とりあえずやる事もないしノワールのいる机に戻ろう。ノワールの奴、サボってるかもしれないし。 案の定サボってました。 ノワールめ、気持ちよさそうにすやすや寝てるじゃない。 僕はノワールに気づかれないように音を立てずにゆっくりと近づいて、そのままノワールの足をくすぐった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」 驚いたのかノワールは飛び起きた。 猫みたいに髪を逆立てて首を左右に勢いよく振っている。どうも周りの状況を確認しているらしい。 全く、目を離すとすぐにこれなんだから。 本当にお姉ちゃんなのか疑問に思う。 「ハウ・・・・・・・・くすぐった?」 「ううん。それよりもお仕事しないとね」 「あ、ボクと同じ悪魔型だ。犬型もいる」 僕とノワールが話していると、さっきスポーツコーナーに行くと言っていたストラーフがこちらを見上げていた。 「あ、お早う御座います!」 「オハヨー! キミ達ってこの本屋の神姫?」 屈託の無い笑顔で下にいるストラーフが僕たちに話しかけてくる。 ノワールは寝起きのせいなのか聞こえているのかいないのか良く判らない顔をしていた。 「はいそうです。何かお探しの本でもありますか?」 「ん~ん~! ボクと妹意外の悪魔型って珍しかったから~! 買いたい本はもう見つけたからあとはアニキが買うのを待つだけ~!」 そういって手を振ってから下にいたストラーフは彼女のマスターの元へと走っていく。 ・・・・・随分元気な人だったなぁ。 「ねぇノワール。さっきの人、何かとっても楽しそうだったね」 「・・・・・・・・・・・・すぅ・・・・」 「寝ーるーなー!!」 NEXT